雪どけを間近に控え、雪を薄く肩に乗せた木々の新芽も控えめに膨らんできている。しんと冷えた空気を胸一杯に吸うと、そんな木々のさわやかな息づかいをじかに感じるようだ。 狭い山道を、2人並んでよけいに狭くしながら、旅の2人連れが歩いている。
「青面獣、お主せめてもう一枚、中に着たらどうだ」 突然そのようなことを一清に切り出されて、揚志は声を上げて笑った。
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