2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

弱点

大会の翌日、田所と巻島は何となく誘い合うようにして、地元の病院にやってきた。

イレギュラー

ギュッ・・・ギュッ・・・。ペダルをやっと回して、チェーンとギアが軋む音。それと、自分の上がりきった息づかい。後は、姿が見えないのにどれだけいるのか見当もつかないような鳥の鳴き声。 それだけ。後は、ただただ静寂だ。

カウントダウン

ヒタリ、ヒタリと暗い廊下を素足で忍んで進む足音。夜も更けて、屋内からは物音一つ聞こえない。 鳴子の思いはただ一つ、食料のみ。

ミクロポップは笑わない

それは、地球を去ったミクロマン達と再会して、 しばらくしてからのことだった。そのころ、 春と形容するには まだ肌寒いような陽気が続いていたと思う。久しぶりに研究所の外に出た僕は、 みんなと再会した土手で、 彼(と呼んでいいのだろうか?)に出会っ…

テーマはエジソン 3

「何をしていたのである!」 「あれ…?」 久磁家に戻ったオーディーンを出迎えたのは、すっかりご機嫌斜めのエジソンだった。

テーマはエジソン 2

頑固者同士の押し問答になるかと思いきや、オーディーンの静かな仲裁でエジソンはあっさりと折れた。言葉少なに言いくるめる様はなかなかに感動的ですらあった。それはオーディーンだから出来ることで、自分にはできそうもない技術ではある。

テーマはエジソン 1

それはオーディーンがビートローダーに乗ってパトロールをしていたときのこと。交通の邪魔にならないよう、道路の端を走行していたオーディーンは、角のところで人とぶつかりそうになった。

ポメラの来た日 4

それは幼稚園 ボルガンと向き合うことしばし、ロイは沈黙したまま足下をにらみつけている。

ポメラの来た日 3

珈琲はお好きですか? 駅前の通りの、知っている人だけが通り抜けるような細い路地の先に、小さな珈琲専門店がある。店舗はあまり狭い方ではない。女性の好むような菓子の類がほとんど置かれていないためか、いつ入っても、暇そうな男性客が数人、ダラダラと…

ポメラが来た日 2

雪かき日和 その年の年末は、珍しく雪が降った。そのタイミングで降らなくてもよいだろうに、というタイミングで。

ポメラが来た日 1

狭い歩道に積み上がったケース入りのニンジンやらダイコンやら、それをあれこれと吟味する年季の入った主婦だとか、それらを避けて走る自転車だとかとすれ違いながら歩くのは、なかなか容易なことではない。