2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

星をみるひと

ラッキィ・スタアから珍客が来たらしい。 なんとなく思い当たって、カーンが1件の宿屋に顔を出してみると、懐かしいズルズルした服装の男が見えた。

ザムはげさん

いつもの悪ガキたちにからかわれたりムキになって相手をしたり、言ってみれば、だいたいいつも通りの昼下がりが過ぎて、ザムザは噴水の側のベンチにやれやれと腰を下ろした。

天より他に知る者もなく

それは穏やかな陽気がしばらくつづいていた頃のこと。差出人のない手紙がザムザの元に届いた。

いつかの月

カクの村より東のさらに小さな村の夜空に、大きな月が昇っていた。 村の民家を間借りしてようやく一晩の宿を得たビクトールは、それをボンヤリ眺めている。

夜の散歩

1 たいまつのはぜる音にあわせて、自分の影が自分の意志とは無関係に踊る様子がどうにも心許なさをあおる。明かりはむしろ陰影を作り出し、その影の濃さを際だたせる。それらはまるで石壁の隙間から止めどなくにじみ出してくるかのようだ。 嫌な考えになっ…