節分家族6

 いつも通りの朝。
 目が覚めて、カーテンの隙間から差し込む光にしみじみと季節を感じたりしながら、まだ鳴る前の目覚ましを止めておく。
「おや?」
 いつも目覚ましが鳴る前に目を覚ますイワンだが、今日はいつもよりもやや早く目覚めたようだ。

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節分家族5

「呉君、お父様が職員室にいらっしゃっているよ」
 学年主任の中条が授業中の呉の教室に入って来ると、そう言って呉を連れ出した。大人の早足に必死でついて行きながら、彼はサングラスで表情のよく分からない中条の顔を見上げた。中条はそれ以上何も呉に話してくれない。

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節分家族4

 あまり広くもない庭の端から端まで一気に駆け抜けて、幽鬼に向かって斬りかかる。常人では自分に何が起こったのか理解できぬうちに、頭から両断されてしまっているだろう必殺の一太刀を、肩こりを気にして首をかしげる位のまったく緊張感のない動作で、至極あっさりかわされてしまう。

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